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夢を見た。
行った事もないようなファンタジーの世界のような外国っぽい赤茶色のレンガ街で、多分広場。
噴水の周りをぐるぐると、白い髪をした人々がゆったりと歩いている。
顏は、見えない。
虹の色がついた大粒すぎる雨の雫が空中で停止していて、三十分ごとにぱしゃりと割れてはまた小さな雫から大きくなっていく。
晴れた空は大体青のはずなのに、煩い黄色や穏やかな緑、その他十二の色鉛筆で描いたかのような傘が飛んでいた。
嫌に、鮮やかに。
私はこれが夢だと知っている。
理由は幾つかある。
一つ、世界が不思議過ぎる。
二つ、外だというのに私は靴を履いていない。
三つ──死んだ人が、いる。
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