第1話 はじまり

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立て篭もっていたのだった。 一族は一向宗であった! 一族総出で戦に参加する事は出来ず、一族の次男・三男が参戦していた。 その援軍の頭として、来好成がなっていた。 援軍の数は13人だけであったが、そんな中には女子(おなご)の姿もあった。 好成の幼馴染の女子で、元はくノ一であった芳乃(よしの)が居たのだ。 芳乃の親父は、伊賀の下忍であったが、抜け忍になり逃げていた所を 好成の父親に助けられたのである! 忍者も暇ではなく、1人や2人の抜け忍に人を避けるはずも無く 直ぐに追っ手を撒けたのだ。 そんな芳乃の父は、好成の父に対して恩義を感じて、鍛冶の手伝いを 始めるとともに、娘の芳乃を好成の許婚として、好成に嫁がせると言い出だ していたのだ。 「私は戦で死ぬかもしれぬ、だが私は只の女子ではございません              死ぬのなら好成様と供に死にとうございまする」 芳乃の訴えで、好成は最初は連れて行く気は無かったのだが、こうも言われたら 連れて行かぬ訳には行かなくなった。 それだけ芳乃は好成の事を愛していたのだ。 そんな芳乃の事を好成も愛していた! この戦国の世で、両思いの恋などが幾つ有り得たのか、数得る程しかあるまい!     
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