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それは、夏本番にさしかかろうかという時期のこと。
まだ人気のない、朝陽が昇ってからそう時間も経っていない時間。
その時間の浜辺の雰囲気が好きで、ふらふらと歩いていた時。
ふと、前方に青が見えた。
青といっても、海の色ではない。
アクリル絵具で塗りつぶしたような、ムラのない、空の色よりも白が多いべたりとした水色。
何だろう、と思う間もなくその疑問は晴れた。
ツナギだ。
が、よくよく見れば、所々に群青色やサファイアの様な深いブルー。
絵の具だ、と彼女はあたりをつけて視線をそれよりも上にやった。
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