君はもう大丈夫だから

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 プロジェクトが終了したその日は、ドライだったメンバーも打ち上げムードが漂っていた。ただ、どんちゃん騒ぎすることもなく、一年を振り返りしっとりと終わった。二次会の雰囲気なんて何もない。けれど、彼だけは、私と飲みに行きたがっていた。だから私はいつものように彼と飲屋街を歩いた。プロジェクトの荷が降りて、いつもよりもテンションが高くなっていたしお酒も多く飲んだ。そしていつかの日のように、帰るのがメンドくさくなって、ホテルに行くことになった。  ホテルに入ると彼が私のことを後ろから抱きしめてきた。最初は冗談かと思って「もー!」と言いながら、腕を解こうとしたのだけれど、全然解けない。腕中で振り向いた私はそのままベッドに押し倒されてしまった。  「好きです」  彼が放つ、この好きは、姉弟終了のお知らせ。  そしてきっと、彼は、君は、愛を勘違いしている。  私たちの間にある愛は、君が知らない、家族のような愛。  だから 「ごめん」 私はそう君に告げた。 「けど、一緒に居ることはできる」 なんて残酷な言葉なんだろう。そう思ったけれど、それで君が愛を知ってくれるなら、彼女にはなれないけれど、側にいようと。
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