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突然、目に飛び込んできたのはギラギラと赤いランプをばらまく救急車だった。
朝の光景を思い出す―――
―――
「…よく聞いて。花奈ちゃんのママは今病院にいるの。」
おばあちゃんの言葉。
ママは病院にいる。ママは病気?いつから?どうしてママなの?ママは…ママは…
―――
いつもと同じ歩きなれた道のはずなのに家までとても遠く感じた。
家に着くといつもと変わらない冷たい廊下なのに、いつもよりも冷たく感じて、足が凍りつきそう。
「ねぇ。ママは大丈夫だよね…」
ぽつりと呟いた言葉は静かに溶けた。
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