不忍池小噺

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さて、古地図を見てみますと 不忍池に浮かぶ弁天島には 聖天島(しょうてんのしま)という小島が隣接しております。 弁天堂が建つ弁天島は 先に述べました通り、人工の島で御座いますが この聖天島(しょうてんのしま)は昔からそこにあった、天然の小島。 そこに天海僧正がふたりの墓を建てたとあります。 ここに祀られている聖天様は、歓喜天とも呼ばれる神様。 ヒンドゥー教のガネーシャ神と同一視されるこの方は 日本では象頭人身の神様ふたりが 抱擁する姿で描かれることが多く つまるところ、男女の仲を取り持つ性格もありますようで。 そこにふたりを置きました天海僧正の心意気。ニクいですな。 この聖天島は、普段は柵がかけられ立ち入ることが出来ず 本尊も秘仏とされておりますのですが ()の日にだけは柵が取り払われ 詣でることが可能で御座います。 来たる九月二十二日は ()成金(なるかね)祭と申します、年に一度の大祭の日。 この日だけは秘仏が公開され また、参拝すれば金運に恵まれるとのこと。 もっと早めにご紹介しておれば 近隣県にお住まいの方でしたらば ならば参ろうか──と、予定もたてられたかもしれませんだに いやはや、相も変わらず遅筆で まこと、申し訳御座いませぬ。 image=511548006.jpg
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