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『 拝啓、朝比奈様に置かれましては実に頭痛が痛い状況かと思われますが、どうかご配慮を。
現在そちらに1匹の妖精が迷い込んでいるかと思われますが、その子は、言ってしまえばそちらの世界のストッパーです。正直現代兵器では傷1つ付かないぐらい強いと思います。
現在オムニバース内の数あるハイパーバースの1つ『アルヴァーナ』は、私の『世界創造』と『限定幼女』を融合させたスキルを付与した事により、その内包されている全ての宇宙において面白可笑しくなる現象が多発する予定となっております。
その最たる物として、この手紙を読んでいる現時刻をもって、世界中で生まれる赤ん坊と一緒に、その半身である『妖精』が生まれる様になりました。これは全宇宙で起こる現象なので諦めて下さい。
そして貴方に、私達が今生きるこの世界でやった事に対する罰を、私の独断と偏見により与えます。
どうか、その世界を本当の意味で平和にして下さい。
私の転生前の世界の過去は、貴方の世界とよく似ています。必ずしもそうではありませんが、もし類似した未来が訪れる可能性があるとすれば、今から数十年後に『核戦争』が勃発する筈です。時間軸は無限に存在する故に確定ではありませんが、私はそれを阻止したいのです。
しかしその世界は、言ってしまえば欲望と現実に支配された物です。誰かの涙を踏み躙って立つ世界です。
私は貴方のやり方は好きではありませんでしたが、その心は本物だと思っています。失礼ではありますが、記憶も全て見ました。そして、その背景も全て知りました。
だから言えます。貴方は決して1人じゃない。人は1人では絶対に生きられないのです。
思い出して下さい。貴方が泣きそうな時、挫けそうな時、必ず傍に居てくれた人が居た筈です。その理解出来ない想いを余さず受け止めようと努力してくれていた人が居た筈です。
それは数多ある内の、1つの『愛』の形です。『愛』は決して1つじゃないのです。それは見え難く、分かり難く、時には『呪い』にも変わってしまう人間の真理に値する物です。
理解をする必要はありません。ただ、感じて下さい。感じ続けて下さい。
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