第一章 初恋の花

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 細波が寄せる浜辺の道を制服を着た一組の男女が微笑みながら歩いて行く。ともに中学二年生の、藤堂千佳と池田達也であった。ふたりは家が隣どうしということもあって、幼い頃からまるで兄弟のように育ってきた。達也は4年前に最愛の母を亡くして,今は市会議員の父と二人暮らしである。ともに一人っ子という点では千佳も達也と同じであったが千佳には両親も祖父母もいた。父は順調に会社を経営していて、母は家事に専念していた。父方の祖父は、外資系会社の役員と
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