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「楽ってことはないと思うは、誘われるって事は他の人より頑張ってきた証拠だし今からも頑張るってことでしょ?」
千佳の言う通り達也は、は県内の陸上大会において、中学生の短距離部門で好成績を残していた。
達也は、少し間を置いて、意を決したように
「もう、陸上は辞めようと思ってるんだ!」
千佳は驚いて
「えっ。たっちゃんあんなに頑張ってたのに急にどうしたの?」
千佳は怪訝そうに聞いた
「東西高に入るには何かを捨てなきゃあならない。僕には捨てるものといえば陸上しかないからね」
更に
「このままじゃ、どっちもどっちということになってしまいそうだし、先のことを考えると、僕の場合は陸上をやめたほうがいいと思うんだ」
「それじゃあやっぱり東西校を目指すの!?」
「うん。お父さんの希望でもあるしね」
「そう。大変だよね」
「でも東西校に入ってしまうと、お父さんが一人になってしまうだろ。少し心配なんだ」
千佳は二度頷いて
「たっちゃんの優しさね」
「お父さんは寂しがり屋だから」
「そうね、おじさんの仕事が仕事だし………。それでおじさんは何て言ってるの」
「だからお父さんは、東西高が希望だって言ってるじゃない」
「あっ、そっか。テへ」
千佳は舌を出して笑った。そして気を取り直して
「なら、何の問題もないじゃない」
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