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私と悟くんは家が隣同士で同い年なこともあり、生まれた頃からずっと一緒だった。
悟くんは目立つタイプではないけど、困っている人を見かけたら、迷わず手をさしのべる、とても優しい子だった。
私はそんな悟くんを尊敬していた。
それは私だけでなかった。
悟くんには二歳年下の妹がいた。
悟くんの妹の紗友里は悟くんに似て、大人しく人見知りだったけど、穏やかで優しい子だった。
私と紗友里はすぐに仲良くなり、小さい頃は悟くんも一緒に三人で遊んでいたりしたが、いつからか、紗友里と二人で過ごすことが多くなっていた。
悟くんは口には出さなかったが、男の子同士で遊ぶ方が楽しいようで、自然と三人で遊ぶことが少なくなっていった。
私はそれを少し寂しいと感じていたが、仕方がないことだとも、思っていた。
この頃は特に、幼なじみと言っても女子と一緒にいるところを見られると、同級生の男子から、からかわれることもあったに違いない。
実際、私も悟くんとのことで冷やかされたことは数えきれないほどある。
悟くんは優しいから言わないだけで、内心は周りに冷やかされるのが、嫌だったのかもしれない。
中学に入学すると、悟くんはクラスメートの友達に誘われて、陸上部に入部した。
私も前から興味があった吹奏楽部に入部し、部活と勉強に忙しい毎日を送っていた。
悟くんは、元々足が速かったが、陸上部でますます成果を出し、全校集会で表彰されることも多くなっていた。
私も紗友里もそれを嬉しく思っていた。
特に紗友里は陸上を頑張っている悟くんを誇りに思い、周りからもそんな兄がいて、羨ましがられているようだった。
悟くんのことを褒められている紗友里はすごく嬉しそうだった。
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