147人が本棚に入れています
本棚に追加
それから、結の父親は麻衣が呼んだ警察に逮捕された。
僕と麻衣は結の母親と一緒に救急車に乗った。
応急処置はしたが、結はかなり危険な状態のようだった。
車内では、救急隊員の懸命な処置が続いていた。
病院に着いてからも、結は集中治療室からなかなか出てこなかった。
病院の待合室で誰一人言葉を発っそうとしなかった。
三人とも結の容態が回復するのをただただ祈っていた。
僕は後悔していた。
僕がもっと早く気づいて、家に行っていたら。
こんなことにはならなかったはずだ。
また僕は紗友里の時と同様、取り返しのつかないことをしてしまった。
結の顔を思い出す。
作ってくれた料理を褒めた時に嬉しそうにしていた。
勉強を教えた時、難しい問題が解けて、目を輝かせていた。
ホラー映画を見た時、怖がりながらも最後まで、一緒に見てくれた。
どんな結も昨日のことのように思い出せる。
どうか、助かってほしい。
もう一度、結と話したい。
結の笑顔が見たい。
結ともっと一緒にいたい。
結にこれからもっと幸せになってほしい。
神様、どうかいるなら、お願いです。
結を救ってください。
最初のコメントを投稿しよう!