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陽が東に傾き、夜が来ようとする刻。
街中は昼間と変わらず賑やかで、様々な声が飛び交っている。
そんな喧騒の中、ある建物の一室に一人の男─シリウス・フィールが鍵を開けて入室した。
「ふぅ・・・今日の任務は終了・・・疲れたなぁ・・・」
そう言いながら自身が纏っていた蒼銀色のマントを脱ぎ、綺麗に畳むと中空に向けて手に持ったマントを置くような仕草をする。
すると、持っていたマントが消えた。
空間魔法『スペース』
自身の魔力に比例して別空間に物を収納出来る魔法である
マントを収納するとベットに仰向けで倒れる。
すると、頭に直接声が響いた
「『しーちゃん、少し急なんだけど今から執務室まで来てもらえないかな?』」
無属性魔法『念話』これは誰にでも使えるが対象との距離が遠ければ遠いほど魔力コントロールを要する魔法だ。
シリウスはため息混じりに応答する。
「『マスター・・・しーちゃん呼ばわりはやめてくださいと何度言ったら・・・
まぁわかりました、今から向かいますね。』」
そう言うとゆっくりベットから立ち上がり一言呟く 。
「『転移』」
その瞬間、部屋の中からシリウスの姿が消えた
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