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そして、《執務室》と書かれた表札がある部屋の前に現れたシリウスは扉を3回ノックすると室内から「入っていいわよ」と声を掛けられた為、入室する。
中に入ると奥にある資料と思わしき書類が積まれた机の前にあるソファーに一人の女性が腰掛けていた。
少し水色掛かった髪と本来、黒目に当たる箇所が黒ではなく薄い黄色の目をした端正な顔つきの美しい女性だ
彼女はギルド『銀翼の輝き』のギルドマスター、ミル・ティラー。
『聖光の調停者』の二つ名を持つギルドランクSSの実力者である。
ギルドランクとは、D・C・B・A・S・SS・SSS・Zの区分けになっている。
SSランクから二つ名で呼ばれる様になり、SSSランクは各種通常魔法属性『火・水・風・土・雷・闇・光』の内1つを極めた者とされ二つ名と共に【帝】と呼ばれるようになる。
Zランクは世界一でただ1人【全帝】と呼ばれる全ての【帝】の頂点に立つ者だけである。
「いらっしゃい、しーちゃん。
座ってちょうだい?1件、貴方に指名依頼が来ているのよ」
シリウスは促されるまま対面のソファーに腰掛けた。
シリウスが席に座るのを見るとにこやかに笑みを浮かべながら席を立って机の上にある1枚の依頼書を取り、シリウスの前に置く。
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