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休み始めてから僕は理不尽な仕打ちの記憶がよみがえり、腸が捻じれるような思いをすることもあった。体は車と同じで、一度壊れると元通りはおろか、なだめることすらなかなか大変だと身に染みて分かった。体が壊れるまでがんばった自分を恨んだりもした。
しかし、この辛い経験を経て分かったことがあった。僕はスキーと雪山の景色はどうも本当に好きらしい。そしてつらい経験から学んだことは、人生において大切なことは本当に自分がやりたいことを見つけて実践し、生きる輝きを得ることだ。
Aさんは、車中で五十歳の時に新たに資格を取ったとの話もしていた。転職を一度考えたが、やめたとのことだった。Aさんは四十歳から主任で、それから二十年以上の宮仕えで昇進することはなかった。スノーボードもやり始めたのはどうもそのころだった。あれだけ前向きだった彼の姿は、それだけ年季が入っていたということだ。金言を得るだけの苦労をしたという事だろう。
そして自分が学んだことは、人にはいろんな個性があり、やりたいこともそれぞれ違う。だからいろんなことをやらないといけないし、「やること」の種類もまた色々あった方がいい。そしてさまざまなものにトライするために自由がある。そうしてそれぞれが自分の人生を輝かせることで初めて、世の中とか全体が明るくなる。つまり他の誰でもない本人がトライしない限り、何が好きか見つかることもなく、何も始まることはないということだ。
確かに経験上、本当にやりたいことはなかなか見つからない。でも自分の人生を生きて輝く人は、周りにもあたたかさを振りまけるのだ。お金は、生活するためのただの電池の容量に過ぎないらしい。少なすぎると本当に困るけど…あと給料を金額の多寡でいじめに使うなよとも思うけれど。僕がわかったのはそういう事だった。
逆に言えばいじめをする人は、他人を攻撃することで溜飲を下げて偽りの喜びを得て、かつ自分の人生を生きるのをサボっていて、二重に悪いということだ。他人に甘えを押し付けることで、自分が本当にやりたいことを分かる訳がない。ましてや人生の“幸福のカギ”が見つかることもない…。まるで不幸の源泉だ。これが僕が前の仕事と職場を通じて分かったことだった。
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