あなたがくれたもの

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    彼はヘビースモーカー。     ほおっておいたら、1日に1箱は吸ってしまう。  「吸い過ぎじゃないの?」  「肺が真っ黒に、なっちゃうよ」  「アハハ!すでに真っ黒かも」    笑ってる場合か。  大体、私の父は3日で1箱だと言うと、そうだなーと言う。    あの時より煙草は高額だ。  彼もそれを言って贅沢(ぜいたく)品だなとか言いつつ、本数は減らない。    それどころか・・。     「みゆ、モク・・モクが~」   モクとは、タバコの事。  「給料日まで、待ちなさい。」と冷めた声を返す。  「まだ、2日あるのに・・昨日1日、我慢したのに」    しくしくと泣いたマネ?    そう言う顔しないでほしい。      もう、しょうがない。   「後で返すから」といつも彼は借りる。   実際、このヘビースモーカーはどうしたものか。    心配してるのに。  「お前がバカだから、本数が増える」     勉強してたら、これだ。私のせいに、してる。   ウソつき。夜中も吸ってるくせに・・。    だからわざと言う。  「1日ガマンしたなら、もう1日ガマンね」  「みゆが(ひど)い、モクが~」     のたうってもダメだもんね。   「みゆの、ケチ」   コイツは何者だ。   しっかり者の年上の割に、妙な所で甘えん坊。   「俺って、甘えん坊なんだ」   結婚したら、絶対に尻に()かれるな。別にいいけど。     だから、割り切るのは、やめにしなさい。
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