あなたがくれたもの

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     彼のお母様のスーツをもらった。    形見(かたみ)だから、とってたのね?と言うと、   いや、厄払(やくばら)いだって・・。   変な女が寄ってこない様に『魔除け』にしてるんだって。     ずれてる・・。         天然さんだ。   そのくせ、私はその厄払いの範囲(はんい)外らしい。  「まるで母さんが、お前の為に置いておけって用意したみたい」と彼。   もらったのは、ブルーのタイトスカートのジャケットスーツ。    もう1つは少し紫色の、半袖とキュロットスーツ。   可愛い人だったんだろうな。     ありがとうね。(たけ)もサイズもぴったり。   「驚いた、ホントにぴったりだ」    そして付け加える様に「薄紫、良く似合うな」だって。    お母様も似合うねと、笑ってくれるかしら。           ##      彼に黒いサンダルを買ってもらった。    誕生日でもないのに、この頃、頑張ってるから?     (試験勉強とか)   とてもとても、嬉しい。  何かサンダル()いて、ダンスしたい気分。  彼に言わせると、薄紫のスーツにピッタリだなってことで、   もっと、おしゃれしてよという気持ちなんだね。    私、もっと綺麗になりたい。  あなたの隣で、いつも笑っていたい。   っていうか、あなたを見つめるだけで    自然に笑顔になるの。     以前、なっちゃんが  「無理して、笑わなくていいから」と、言ってくれた。   ガンって知っても、私はそれでも強気で笑ってるつもりだった。      でも、見透(みす)かされてた。    でも・・。   今なら、本当に笑える。心から、そんな気がする。
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