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「遼ちゃん」
そう言って笑うみゆが、たまらなく好きだ。
時々ふいに後ろから抱きつくと、キャッと言って勉強してるとか、
料理してるから邪魔しないで!とガツンと言う。
分かってる、みゆの反応が面白くてやってるのだ。
いちいち睨んだり、無視して怒ったり。
コイツ、真面目だから息抜きさせなきゃ。
だからつい、からかってしまう。
でも、そんなみゆの全てが好きだ。
正直、みゆが欲しくてたまらない。
ガン治療中だから、抱きつくだけで、我慢。
時々みゆが、もの言いたげな目で俺を見る。
俺はみゆの髪をすき、そのまま頬に触れ、愛撫する。
キス出来たらなぁ。
でもそんな思いを知ってか知らずか、みゆが俺にもたれるように
体を預けた。
コイツ、甘えてる。
抱きしめるとみゆは、両腕を俺の首に回してきた。
「みゆは抱っこが好きか」
そう言うと、みゆが満面の笑顔を見せた。
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