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好きがどんどん大きくなる
メールじゃ足りなくて、あなたにラブレターを書いた。
この想いを、より強く伝えたかったから。
すると、あなたは私にラブレターを返してくれた。
照れ屋なあなたがつづった中に、見つけた
『宝物』の文字。
その言葉が私の胸に、火を灯す。
暖かさになって、私の中にしみわたってゆく。
##
ラブレターの嵐の私に、彼は交換日記をつけようと言った。
友人が笑う、「毎日、会ってるのに?」
別れたばかりなのに、すぐ会いたくなる私。
その想いを拾って、ページに書いた。
私、あなたの宝物になれているの?
冗談ばかりの彼の心は、つかみにくい。
でも、そうやって私を笑わそうとピエロに、なってくれているの?
文面に思わず、笑った。
彼は照れ屋だから、執事になったつもりで、書いてある。
「旦那様は、いつも貴方を気にかけておられます」だって。
笑っちゃう。本当に、笑っちゃう。
##
始めてデートした時、あなたについて行くので必死だった。
男女では歩幅が違う。スピードも違う。
でも、あなたはすぐに気付いて立ち止まり、私のペースに合わせて
歩き出した。
こんなに優しい人が、二人といるかしら?
母が亡くなった時も、あなたは私のそばにいて、
ただ隣に居てくれた。何も言わない。
側のあなたの温もりが、感じられるだけ。
反対に兄は、怒鳴られたみたい。
お前がしっかりして、私を守れとか言われたらしい。
兄が私に、ぼやいてたもの。
ずっと前から知ってる人で、兄のような存在。
あなたにしても私はきっと妹、そう思ってた。
「俺、お前に惚れたみたい」
あの笑顔に、私の胸がキュンと鳴った。
ドキドキが収まらない。
赤くなる私にクシャクシャと髪をかき回して
「飲め、すこし休めよ」と私の前に、コーヒーを置く。
彼は窓辺で、タバコ。
私に煙が行かない様にしている。なんて優しい人。
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