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私の家にはインコが、3羽。
彼の家には猫が、1匹。
もともと動物好きの私だけど、彼んちのミーコは
人なつっこくて、すぐに仲良しになった。
ミーコを膝の上に乗せて、姫と呼ばれる我が家のインコの事
を話した。
「私んちのミドリも姫だけど、ミーコだって姫だよね。」
「そうか~?ミーコは姫というより、ぬしだぞ。」と彼の声。
そして、ふと気づいた。
彼のマグカップの底に、ミーコ大明神の文字。
(私のは、3羽の名前。)
あきれたというか、ビックリ!
ミーコって、大明神だったの?
振り返ると、ミーコが(私はコイツの事は、全部知っている。
コイツは手下なのさ)と、
言うような眼で私を見て、彼を見た。
ニャーとミーコ。
「分かった、飯だな!」と餌を作りに走る。
こき使われてる。
ぬしだ!この家の主神にでも、なったつもりでいる。
##
彼はチョコレートが大好き。
兄も言ってたけど、付き合い始めはチョコあるか?って
聞いてきたのに、いつの間にか勝手に私んちの
冷蔵庫を物色している。
すぐに食べちゃうから、毎日ストックしてる。
っていうか、何故そこにあるのが分かるの?
彼はチョコレート大魔神だったのか。
そう思っていたら、今度は冷凍室。
「アイス、見つけた!」と、嬉しそうな声。
食べようと思って入れてたら、見つかった。
だからなぜ、隠してるのが分かるの?
聞くと「この辺に、ありそうだと思って」だって。
彼はチョコレート大魔神で、アイス大魔神でもあるのか?
その代わり、買い物デートで、いつもアイスクリームを
おごってくれる。冬でもアイス。
北風の中でもアイス。
寒そうにしてたら、彼は私の片手を握り、
自分のジャンバーのポケットに差し入れた。
暖かい。右手はアイス。左手は彼の手と一緒にポケットの中。
どうしてかな?こんなたわいのない事でも、
彼の温もりで温めてもらってる気がする。
時々、あなたにとろけそうになってる自分に気づく。
あなたは太陽。私は日なたのアイスクリーム。
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