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続・あなたがくれたもの
この頃、みゆが俺の事を『遼ちゃん』と呼びだした。
始めは遼太郎さんだったのに、俺が「遼で良いよ」と言ったからか?
みゆにすればショウみたいに、呼び捨てにするのは抵抗があったんだろう。
しかしなぜ年下の娘に、ちゃん付けされてるんだ。
「遼ちゃん、おはよー」
いつもの笑顔でみゆがやって来た。
勉強道具を抱えてる。
まっ・・いいか。この笑顔が毎日、見れるんだから。
はて、そこで俺は気付く。
もしや夏樹が、けし掛けたんじゃないだろうか?
『遼さん?あんなの、遼ちゃんでいいわよ』
夏樹のにやにや声が、聞こえる気がする。
アイツなら言いそうだ。ありえる、絶対ありえる。
「どうしたの?」とのぞき込む目が合った。
ドキン!
至近距離で慌ててしまった。
「変なの」と笑うみゆ。
俺はごまかしで「コーヒー入れてくれ、あとパンも」と言うと、
「今、やってまーす」と声。
はにかんだ笑い声。
新婚みたいだ。
結婚したら、毎日みゆの飯が食える。
俺はウキウキする。
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