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「基本、ハグです。抱きしめてあげてください。そして皆さんの得意分野の伝受など。料理、裁縫、折り紙、プラモデル作り、つり、畑作業等々。その島にあるものしか使えません。皆さん、頭をフル回転させ子供たちに対応してください」 「孫やひ孫に会ってしまうことはありませんか?」 「皆さんは島では今までとは違う名前で暮らしていただきます。血縁者に会う可能性はシステム上はないはずですが、あったとしても、気づかれたとしても他人のそら似を通してください。赤ちゃんから中学生までの子を二人で5日間預かっていただきます。二日休んでまた5日間、の繰り返しです」  老人たちのざわつきが収まるのを待って、担当職員がこう言って締めくくった。 「島での生活がどうしても無理な方、どうしても死にたいと思われる方の相談にも応じますので、各島に設置してあります管理局直通電話からお願いします。結果、離島となった場合は私たち職員がブラウンの船で迎えに参ります」                            〈了〉
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