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理論ではわかっていても感情は理解できなかった。
でも、この瞬間、この胸にあふれる熱い気持ちは、間違いなく『恋』であることは分かった。
それ以来、玉井君を目で追うことが多くなった。
もちろん生徒と比べて贔屓などはしていないし、ほかの生徒のことも良い方向に導くため日々努力している。
恋の進展の方は良しか悪しか分からないが全く進展していない。
初恋が実ってほしいと自分ながら思うも、教師と生徒という関係上進展していなくてホッとする部分もある。
もし成就したとしても、周りに隠しながら生きていくくらいならこの恋はなかったことにした方がよいのではないのか……。
そう思っていたところ、一つの報告が耳に入る。
玉井君が転校するそうだ。それも、近日に。
いつまでも迷っている私に対して神様からの決断しろ、というお告げなのか。
「そんなの分からないよ……」
いっそこのまま天国に連れて行ってよ、神様。
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