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夏休みに入って、家にいる時間が折角増えたのに...
パパは最近忙しいみたいで、お昼過ぎに出かけて行き、日付が変わる頃に帰って来ていた。
だから...彼が家へ来る事もないままで...
1学期の終業式の日。
あの一緒に居た時間が夢だったんじゃないか?と、今でも思っている。
街で偶然に会えた事もだけど...
2人で食事をしに出掛ける事なんて今まで一度もなかったし...
彼の部屋にも初めて行った。
私の遠回しの告白を、彼は大人の狡い対応でやり過ごした感じだった。
だから、いつかちゃんと彼へ私の気持ちを伝える事が出来る。
まだちゃんと告白していないし...そう思っているんだけど...
あの時言った「ごめんな......」の意味は今でもわからないままで...
ーあぁ。退屈ー。啓ちゃんに会いたいなー...
誕生日の日にみんなで撮った写真を、あの日からずっと携帯の待ち受けにしている。
それを見ながらベッドでゴロゴロしていた。
ピリリリリー
「うわぁー」
『 啓ちゃん 』
突然鳴り出した電話の音に驚き、画面に並ぶ名前を見てもう一度驚いた。
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