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ベッドから慌てて起き上がり、緊張しながらその電話を繋いだ。
「も、もしもし...」
「あ...なつ?...お前、今こっちに居るんだっけ?」
「へっ?」
「北海道か鹿児島に居る?」
「え...こっちに居るよ?」
「あ...じゃあ今から迎えに行くから準備しとけよ」
「え??」
突然の電話はあっけなく切られてしまった。
ー今から何処かに行くのかな...初めて啓ちゃんと話した電話だったのに...
きっとまた両親が彼に迎えをお願いしたんだろうと思い、適当に着替えを済ませ待っていた。
ピーンポーンー
インターホンが鳴り...彼が到着したと思い、慌てて階段を降り玄関へ向かうと...
玄関先ではママと芽衣か笑顔で話しをしていた。
ーえ?なんでママがいるの?...あ、芽衣が来ちゃった...どうしよう......
2人の姿を見てローカで立ち止まる私に、ママが振り返り声を掛けて来た。
「なっちゃん、楽しんで来てね。わぁーいいなー。私も行こうかな...」
最後の方は、また芽衣の方に振り返りはしゃぎながら言っていた。
まだその場に立ち尽くしている私に、芽衣がママの後ろからひょっこり顔を出し、クリクリした大きな目を三日月目にして私へ声を掛けて来た。
「夏希ー、早く行くよー。啓介さんも待ってるんだよー」
さっきの彼の電話と芽衣が来た事が繋がった瞬間だった。
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