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中3の夏、私の処女は奪われた。
部活の追い出し会後、弟と同い年で幼馴染みの男の子と二人きりになった。
幼馴染みであり部活の先輩後輩だ。感傷的なソイツの目的を見抜けなかった。
気づけば、窓からかすかにプールの塩素の匂いがする更衣室で私の処女は呆気なく奪われた。
私は身体の痛みをこらえつつ
「忘れてやる」そう、言った。
幼馴染みの男は泣きそうになりながら「あなたが好きだ。だから忘れないで」そう言った。
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その日私はモラルと処女を捨てた。
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私は重度の声フェチで件の幼馴染みの声は、ずっとずっと好きだった。好きだから一緒にいて好きな歌を歌ってもらっていた。好きだったけど、その好きではなかった。
それ以来、好きな声で訳ありな男と付き合い続けた。人の物でも気にしなかった。
社会人になって、直属の上司は既婚者で頭がよく仕事が出来た。声が好みで気づけば不倫関係になっていた。
仕事が一人でも任せられるようになると私は結婚適齢期も過ぎ行くなか彼に捨てられた。
仕事は順調。恋愛は見るも無残。
私は大きな仕事を前に有給を使って帰郷した。
夏でその日は地元の夏祭りの日だった。
実家のエアコンは壊れていて、和室で就寝した。
翌日ガヤガヤと騒がしい部屋をのぞくと弟と、もう一人結婚して入婿になり電気屋になった幼馴染みの男がいた。
相変わらず良い声をしていて私の中の女が騒いだ。
一夏の過ちが始りそうだった。
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