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「えー、何で~?」
「今、実家に帰ってるんだよ。」
「えっ?まさか、離婚の危機?」
竜二がからかい半分に俺にそう言ってきた。
「いや、今、あいつのおふくろさんが病気で。」
「え?大丈夫なのか?そんな時に飲んでて。」
「いや、大したことないよ。もう退院してるし。心配だからしばらく実家で世話をしたいって言うから。」
「じゃあ仕方ないな。あー、でも会いたかったなあ。相変わらずイイ女なんだろうな。」
俺は苦笑した。
確かに、玲子は、俺たちの間ではアイドル的存在だった。玲子の家は貧しくて、玲子は中学を卒業するとすぐに年を偽って、キャバクラ勤めをしていた。俺が高校卒業と同時に結婚した。
俺と玲子の間には、子供ができなかった。おそらく、どちらかに原因があるのだろうが、俺たちは敢えて調べることはしなかった。どちらかに原因があるとすれば、気まずくなるからだ。
夜も更けて、二次会三次会と渡り歩いて、最終的には空も白んできて、朝方まで飲んでいた。最終的には飲む場所も無くなったので、俺たちはまるでガキみたいに公園に溜まってコンビニで買ったビールやおつまみで朝まで飲んだのだ。
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