約束

4/9
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
 #佐々木「うわぁっ!な、なんすか!?」  #高橋 「あぶねぇ!急に抱きつくなよっ」  #佐々木「いやだって、驚かされるのは誰だって苦手だと思うんですよ」  普段の彼らしからぬ平坦な声だそう言った。  #高橋 「だからって、抱きつく必要は、無いと思うんですよ……?」  あまりの豹変ぶりに後輩に対して敬語になってしまっている。  それほどに驚いたようだ。  #主人公「ふ、二人共落ち着いて……」  このままだと危ない。  思った以上に混乱しているらしい。  まるで聞こえていないかのようだ。  そのせいか、未だにガサガサ鳴っているのには……気づいてないだろうな。  #主人公「あ……」  何か、出てきた。  #主人公「あの、二人共……」  #佐々木「ん?誰っすか?」  #高橋 「どうかしたか?」  立ち止まり周りを見回し始めた。  振り返るなり顔を青くしたかと思ったら、ふぅーと倒れていってしまった。  #主人公「……あぶないっ!」  動こうとしたところで、待ち構えていたとばかりに奴がいた。  #主人公「親友!」  #主人公「……あれ?車にいたんじゃないの?」  #親友 「…………気になって、追いかけてきたんだ」  そう言うや二人を担ぎ車に連れていった。  あの細身のどこにそんな力が……  去り際に、  #親友 「……お前も、いい加減出て来いよ」  どこかへ向けられた声は後方からひと際大きい音が答えた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!