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#???「んもぅ、相変わらず意地悪なんだから」
#主人公「……君は?」
知らない女の子が何故、茂みから飛び出してきたんだ?
隼はこの子を知っていたみたいだけど……。
このまま居続けるのもむず痒いものがある。
#主人公「……僕も車に戻ろうかな」
#???「あっ、待って」
#主人公「な、何かな?」
久しぶりに女の子と話をしたからか、声が上ずってしまった。
#???「……案内したいところがあるの」
#主人公「僕を?」
#???「……うん」
悲しそうな微笑みと手を差し出してきた。
#???「ここ、暗いからね」
ひんやりとした、小さい、手だった。
僕は、この手を知っている気がする。
#主人公「君は、一体誰、なんだい?」
#???「…………」
彼女は微笑むばかりで、答えたくない、答えられないといった様子。
#???「……向こうに着けば、分かるんじゃないかな」
ゆっくり歩いていたからか、音もなく隼が戻ってきた。
#親友 「……まだ、だめか?」
#主人公「?」
#親友 「……着けば、思い出すはずだ」
今回、この場所に僕を誘ったのは隼だった。
普段、のほほんとしている彼が珍しく引かなかった。
最初は行くつもりはなかったけど、どうしても来てくれと。
どうやら、この子に僕を会わせたかったようだ。
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