プロローグ

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******* あれは3週間前ーーー・・・ 実家の両親が私に話があると言うので、久しぶりに横浜の自宅に帰った。 玄関のドアを開けた時から、家族の様子は可笑しかった・・・ あの時は何も思わなかったが、今も思えば…と思う。 その夜は、父がお前の久しぶりの帰宅だからと言って、私の大好きな米沢牛のすき焼きをご馳走してくれた。 母は前から欲しかったお婆ちゃんの形見の黒真珠のネックレスをくれた。 そして、姉は私に大好きなアイドルユニット『スターファイブ』のライブチケットを・・・ 久しぶりと言っても、この間の盆休みの帰省から2ヵ月も経っていない。 私は家族に問いただした。 「実はな・・・雪姫・・・」 父が語尾を濁しながら、私に話を切り出す。 「何?」 「頼む・・・明姫(アケヒ)の代わりに見合いをしてくれ」 「えっ??」 「雪姫…私・・・智則君との間に赤ちゃんがデキて・・・結婚するコトになったの・・・」
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