世界は色にあふれてる。

2/5
31人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「うっわっ」 何メートルも先に彼女の姿を捉える。 やべ、なんだよ…… 無防備な服装に腹が立つ。 暑いのはわかるんだが。 勝手に脳内で色んな事想像しますけど、 いーんすかねぇ? アホかって自分でも思う。 バイセクシャルな俺が良くも知らん彼女の事をこんなに欲するなんて。 ここへ引っ越して来て1年。 ちょくちょく見かける挨拶程度の彼女の事を早い段階で俺は意識してた。なんでかわからんけど…… 磁石の様な引力。 S極とN極……ならいーなぁ とか考えると、頭ん中で や、エムトエムダロって自動転換されて。 過去から現在に至るで何度か抜いた。 ご近所さん、すまん。 その名前も知らん彼女が自アパートの階段に腰掛けて夢中に作業してるもんだから。 「お疲れー」 って声かけたらすんげえ可愛いい顔で嬉しそうに、けどそれ隠すみたいなテンションで。 「お疲れ様です、今帰り?」 とか言う。大人気ねぇが、そんなら俺も冷静なテンションで。 「なにしてんすか?」 "俺見つけて乳首立ちました"とか言え。 なんてまた馬鹿な事想像はしたが…… 何となく視界に入ってた"もの"はまるで異世界。 蝉の死骸からどうやら羽だけが欲しかったらしく。 見せられたのは切断後で有るだろう蝉の身体。 どう見てもエイリアン! 欲しいから欲しい部分だけ切り取る…… 俺からするとだが、正直ドン引きな趣味の持ち主。 その蝉について、なんちゃらかんちゃらと話しをしてるが、マジねーわ。こんなに、可愛いのにサイコパスとか! けど……見せてくれた蝉の羽は本当に綺麗だった。 会話の途中で目が合って。 あ………俺やっぱこの子だ。 「あの、フリーっすか?」 って確かめる前に引っ叩かれるの覚悟で キスした。 久々に触れた女の子…… いや、彼女の唇は、 とってもエロかった。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!