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全ての無駄がそぎ落とされたすらっとした体形に、髪は白く、腰まで真っすぐ何の抵抗もなく伸びていて、近くで見ると白を通り越して透き通るように銀色に輝いていた。
「ハーフかな」
少女を見つめたまま泰造が呟いた。
「ああ」
八雲とハカセは呆けていてろくに返事もできない。
目は選び抜かれたサファイアのような澄んだ透き通るような薄いブルーで、肌は粉雪を更に精製したみたいに真っ白で肌理細やかだった。その肌に纏っている服は上下白に薄いブルーの見たことのない模様の描かれた不思議な民族衣装のような、着物のような上下に分かれたつなぎ目のはっきりしないワンピースみたいな服だった。その生地の質感は絹を更に細く滑らかにしたような見たこともないものだった。
額には、それを覆うように複雑で不思議な装飾の施されたサークレットがはめられていた。
「しかし、すごい美人だ」
また泰造が呟いた。
「ああ」
三人は、完全に魂を抜かれたみたいに少女の美しさにただ見入った。三人だけでなく、やはり、その場にいた全ての男という男が余すことなく、静まり返った講義堂の中で我と恥と外聞を忘れ少女に見入っていた。講義堂の片隅を見ると、教授たちまでが我を忘れ口を半開きで見惚れていた。
「ねえ」
ハカセが突然呟くように言った。
「なんだよ」
美少女に見惚れている泰造がそれにうっとうしそうに答える。
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