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「おっ、静香も一緒だったのか」
「うん、一緒の講義だったの」
静香が答える。
「なんだよ。いつものメンバー揃っちゃったな」
泰造は一人嬉しそうだ。しかし、そんな泰造をしり目に、やはり八雲は一人暗く沈んでいた。
「まだ気にしてるのね」
茜が言った。
「ノイローゼが再発しちまったんだよ」
泰造が言う。
「姫巫女純にも無視されてるし」
「それは関係ねぇよ」
八雲が怒ったように言う。しかし、心のどこかで寂しさも感じていた。
「まあ、でも、何もなかったんだし、結局はよかったじゃない」
ハカセが言った。
「う~ん、まあ、確かに」
ハカセにそう言われると、八雲もなんだかそうだなと思えてきた。
「考えすぎだって」
泰造は、再び八雲の背中を思いっきり叩いた。
「う~ん」
「あれからもう、一か月だぜ」
「う~ん、確かに、結局何もなかったわけだし、考え過ぎなのかもしれないな」
「そうだよ」
泰造は、少し表情の晴れた八雲の背中をバンバン叩いた。
「よしっ、こういう時は酒だ」
「結局酒に行きつくなお前は。どうしても」
八雲は泰造を呆れ顔で見る。
「お前ら、もう授業ないんだろ」
全員が同時に頷いた。
「よし、決まった」
泰造が嬉しそうにバンッと手を叩いた。
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