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テーブルの真ん中に置かれた簡易ガスコンロに茜が土鍋を置き、そのバカでかい陶器の蓋を開けた。
「じゃじゃじゃ~ん」
「おおっ、めっちゃうまそう」
泰造が湯気の立ち上る鍋の中を覗き込む。茜お得意のつみれ鍋だった。
「しかし、お前が料理得意ってのが未だに信じられん」
泰造が言った。
「へへへっ」
茜は得意げに笑った。
「褒められてないぞ」
笑っている茜に八雲が突っ込む。
「へへへっ」
それでも茜は無邪気に笑っていた。
「これつみれも全部手作りなんだよね。すごいな」
ハカセは素直に感心している。
「さっ、食べて食べて」
茜が、世話焼きで、それぞれの器につみれ鍋を取り分けていく。
「おっ、うまい」
さっそく泰造が大声を上げる。
「だろう~」
茜が泰造にどうだと言わんばかりに得意になって、腰を捻ってポーズを取りながら指を指し笑顔を向ける。
「うん、うまい」
八雲も言った。
「おいしい」
静香とハカセもハモルように言った。
「よし改めて乾杯だ」
とりあえず、謎の少女の話はいったん切り上げそこからいつもの飲み会が始まった。
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