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それから2週間後、また事件が起きた・・・
「失礼します。やぁ、嵩澄。久しぶりだね!」
こちらの返答も待たずに自室に入ってくる一人の男。
「・・・!翼さんっ!どうしてここに・・・?」
麗羅男子高等学園元生徒会会長篦井翼。
「君が会長になったって話を聞いてね、会いたくなって。」
少し悪げな笑みを浮かべ近寄ってくる。
「そう・・・ですか・・・」
俺はその違和感にビクつきながら席を立とうとした。
「!!ちょっ!や、め!」
俺の体は勢いよく男の方へと引き寄せられた。
「嵩澄―俺を忘れてたのか?
いけない子だなーそれは俺のことを忘れないためのおまじないだからね。」
俺の首に人差し指を向ける。
俺はこの人の世話役をやっていた。あの頃は体を無理矢理触られたりすることが、毎日のように行われていたのだ。
首に大きく付けられたキスマークを隠すようにマフラーをして日々過ごした。
これだけは昴に気づかれたくないと思ったからだ。
「先生、申し訳ありません。風邪を引いてしまったみたいなので、マフラーをしたまま授業を受けてもよろしいでしょうか。」
俺は少しの噂もたたないように徹底した。
昴は案の定心配してきたが大したことないと言い張った。
景彦にも協力してもらい1週間後、やっとの事で消えた。そこでほっとしたのもつかの間、昴が俺に問いかけてきた。
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