1、麗羅男子高等学園の茶会

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とある超名門進学校、麗羅男子高等学園(れいらだんしこうとうがくえん)のお話。 そこには7人の生徒会が存在する。 この学園はその7人が支配し、運営している、と言っても間違ってはいない。それほどに権力のある人達が生徒会になるのだ。 その中の二人、会長と副会長は絶対権力を持っている。と言われているのだ・・・ この学園では、生徒会7人に対して1・2年生から成績優秀者10人ずつが選出され、世話役や事務処理などを行う。言わば、秘書だ。 ただ選ばれるだけではなく、その20人はまず生徒会開催のお茶会=顔合わせに出席する。 そこで、各々アピールなどを行う。 ここで、生徒会の先輩方は自分の担当を決めるために集めているので常に目を光らせている。 生徒会の先輩方は洞察力・観察力共に圧倒的である。 そんな先輩方から選ばれるのだ。緊張しないはずがない。 しかし、本当に見ているのかと思うほどに先輩方は後輩の方を見ない。そこがすごい所である。 そのため、後輩達は力が抜け、本来の動きになる。 それが狙いなのだろう・・・ お茶会には暗黙のルールが存在する。 「生徒会の先輩方が手をつけたものしか、食べたり飲んだりできない。」というもの。 しかし、先輩方をずっと見ている訳にもいかない・・・ 窮屈な中で、判断力と洞察力を求められている。 簡単にはいかないのだ・・・ しかも、この中から6人(1・2年生各3人)は落とされるというのだ・・・ 選出されるだけでも難しいのに、厳しい世界なのだ。 このお茶会が終わると、その一ヶ月後に就任式(選出儀式)が行われる。 選出儀式にもルールが存在し細かな動きが決まっている。 1. 候補生は1列横並びになり、各々が制限時間の中で、自分で生み出した紅茶を作る。 2.各々は台の一歩前に出て、片膝をつき紅茶を胸の高さまで持っていき、目を閉じる。 3.ここから選出が始まる。   まずは会長。その次に副会長。と続く。 4.生徒会役員は、自分の選んだ者の前に立ち、紅茶を一口飲みカップを戻す。 5.カップを戻された候補生は目を開ける。   この時、生徒会役員は候補生の肩に手を置く。 6.選ばれなかった候補生はもう一度紅茶を煎れ直す。 という感じで進められ、リズムも全て指示される。
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