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一ヶ月後・・・
選出儀式で事件は起きた。
20人が一斉に片膝をつき、目を閉じた。
会長がまず、歩き出し1年生の前で止まり紅茶を口に含んだ。
「よろしくな、昴。」
「会長。ありがとうございます。精一杯勤めさせていただきます。」
そして二人目。
2年生の前に立ち、同じように紅茶に手をかけ、飲み終えると会長は規則通り、彼の肩に手を置いた。
「・・・っ!・・・お前っ!」
小さな声を漏らし、片膝をつく彼を睨んだ。
「・・・会長。僕はこの学園を変えたいんだ。この訳のわからない儀式もね。」
彼は静かに意味深な言葉を放ち、ニヤリと笑って会長を見上げた。
彼の言葉に少し驚きながらも、そのまま選出を済ませた。
「景彦、すまんこのまま続けといてくれ緊急の用事が、入った。すぐ戻る!」
耳元で連絡を交わす、会長と副会長。
「わかった。任せろ。」
会長は急いで会長室へと向かった。
左手から出る赤い液体に痛みをこらえながら・・・
「・・・ってぇ」
ひとり、嘆く声が室内に響いた。
会長は急いできつめに布を巻き、止血した。
その後、ばれないように黒い手袋を付け部屋を後にした。
戻ってきた会長に対し、手袋を見るなり彼はニヤリと笑った。
しばらくして、選出儀式は終了した。
コンコン!
「?どうぞ。」
儀式は終わったし、こんな時間に誰だ?景彦か?
心の中で自問自答。
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