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「もう無理かもしれない…」
近づいて来る。
残された時間は余りにも少ない。
俺の何がいけなかった?
これを選んだ事が間違いだったのか?
いや、俺にはこれしかなかった。
これしかなかったんだ。
そうだ、まだ諦めるな。
何とかこの危機を乗り切るため、ぎゅっと指先に力を入れる。
微かな希望を求めて、力一杯握り締める。
持てる知識で試せる事は全てやった。
後はもう、出し尽くすしかない。
兄貴の恭平も無力ということが分かった今、
自分が頑張らなければ。
ああ、でも時間が無い。
気配がする。来てる!もうドアの外にいる!
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