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第2章
バンッ!!!
ドアが勢いよく開けられた。
「純平!いつまで起きてんの!明日始業式でしょうが!早く寝なさい!」
母ちゃんが鬼の顔して入って来た。
「だって母ちゃん、宿題の絵がまだ出来てない」
「だからあれ程、宿題は早くやれって言ってたでしょ」
「やったよ!後は絵だけなんだ」
「あんた結構前に、絵は下書き出来たって言ってたのに、何で色塗ってないの」
「それはまぁ、ちょっと余裕ぶっこぎすぎてたけど」
「色塗るだけならさっさとやりな」
「でも、青色絵の具が無くて」
「青色なら、白と藍混ぜるとか、作れるでしょ」
「それもやった!作れる青色は全部試した。でも足りないんだよ。沖縄の海水浴の絵だもん。今年の思い出っていったら何たって沖縄旅行じゃん。我が家の一大イベントだったじゃん。そりゃそれ描くだろ」
「わかってんなら何で絵の具買っとかないの!?」
「行ったよ!佐藤商店。でも売り切れてて今度の入荷は3日後って」
「今日行ったって、駄目に決まってんでしょ!佐藤商店しか店がない村なんだから。恭平の借りなさいよ。」
「兄貴も海水浴の絵描いてだから、全然残ってなかったんだよ。だから目一杯の力で絵の具絞り出してる。あとちょっと、海の色が足りない。母ちゃんも手伝って、絞り出して」
「ほんとにあんたは、夏休み最終日の夜んなって青が無いとか!しっかりしなさい」
「母ちゃん、沖縄の海と空が綺麗な青だからだよ。
だから青が足りなくなったんだ、俺のせいじゃないと思うけどな」
母ちゃんは一呼吸間を空けて言った。
「絵の具買ってなかっただけでしょうが!このお馬鹿!!!」
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