【9月6日】AM 3:00

2/4
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
ガチャンと音がして、尻と左脚の腿辺りに濡れが広がる。 「──おわっ、ヤベぇ!!」 万年床のすぐ近くに置いてあった小ぶりのテーブルから、2リットルのお茶ペットと、飲みかけだったカシオレ缶が揺さぶられ落ちたらしい。 ウチの敷布団は、低反発マットレス。 水濡れ厳禁のお品だった筈。 手探りで、倒れたペットボトルを移動。 慌ててシーツと上掛け布団を引っ張り出そうとしたが、上手くいかない。 とにかく何をしようにも、真っ暗でどうにもならない。 ちなみに誕生日だったんですよねぇ、この日……。 締切はまだだけど、ホントは誕生日の6日の内に書き上げて、公開したかったんだよね。 今未公開のホラーを仕上げて、新しい投稿用の中編ホラーを書き始めたかった。 なんとなく想像がつくかと思いますが、ワタシ何でもきちんと最後まで仕上げるのが苦手なんです。 そんな訳で、連載中の作品を大量に量産すると、絶対に全部が未完で終わると思います。 しっかり仕上げてから、次に行くルールを自らに課していたのですが……うーむ。 まあ、そんなこんなの間にも、揺れは激しくなっていきます。 真っ暗な中で、低い地鳴りと一緒にミシミシ、ガタガタと音が聞こえ、ひときわ大きな音で何か重い物が落ちたのが分かります。 「本棚、倒れたらヤベぇぞこれ……」 狭苦しい我が単身アパートの一室で、蔵書に関してはかなり気合いとお金が入ったボリューム。 ドンキなにがしで購入した、前面と後面に本が収納出来るというスグレモノのアレ。 更にもう一個買って、2段重ねです。 恐らく千冊は優に超えるでしょう。 頭に倒れ込んだら、高確率で即死ですなぁ。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!