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ガチャンと音がして、尻と左脚の腿辺りに濡れが広がる。
「──おわっ、ヤベぇ!!」
万年床のすぐ近くに置いてあった小ぶりのテーブルから、2リットルのお茶ペットと、飲みかけだったカシオレ缶が揺さぶられ落ちたらしい。
ウチの敷布団は、低反発マットレス。
水濡れ厳禁のお品だった筈。
手探りで、倒れたペットボトルを移動。
慌ててシーツと上掛け布団を引っ張り出そうとしたが、上手くいかない。
とにかく何をしようにも、真っ暗でどうにもならない。
ちなみに誕生日だったんですよねぇ、この日……。
締切はまだだけど、ホントは誕生日の6日の内に書き上げて、公開したかったんだよね。
今未公開のホラーを仕上げて、新しい投稿用の中編ホラーを書き始めたかった。
なんとなく想像がつくかと思いますが、ワタシ何でもきちんと最後まで仕上げるのが苦手なんです。
そんな訳で、連載中の作品を大量に量産すると、絶対に全部が未完で終わると思います。
しっかり仕上げてから、次に行くルールを自らに課していたのですが……うーむ。
まあ、そんなこんなの間にも、揺れは激しくなっていきます。
真っ暗な中で、低い地鳴りと一緒にミシミシ、ガタガタと音が聞こえ、ひときわ大きな音で何か重い物が落ちたのが分かります。
「本棚、倒れたらヤベぇぞこれ……」
狭苦しい我が単身アパートの一室で、蔵書に関してはかなり気合いとお金が入ったボリューム。
ドンキなにがしで購入した、前面と後面に本が収納出来るというスグレモノのアレ。
更にもう一個買って、2段重ねです。
恐らく千冊は優に超えるでしょう。
頭に倒れ込んだら、高確率で即死ですなぁ。
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