【9月6日】AM 3:00

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そんなこんなでシーツをひっぺがし、汗かきながらも大判タオルケットをぎゅーぎゅー押し当て。 応急処置に手間取っている内に、やっと揺れが収まってきます。 蛍光灯はまだ復帰しません。 深夜という事もあって、揺れが収まると辺りは静かです。 とりあえずiフォンの明かりで、万年床の周囲を照らすと、思ったよりテーブル周りは被害が少なそうな様子。 心配していた、書きかけ原稿がやまほど記憶されたノートPCも、水を被ることなく無事なよう。 キーボードの上に手を滑らせて、ほっと胸を撫で下ろしました。 恐らく激しい揺れで吹っ飛んだため、逆に無事だったんでしょう。 周囲は多分、何かが落ちてきて散乱しているでしょうが、さすがに今、わざわざ夜の内に確認したいとは思いません。 窓に近付いて見下ろすと、街灯、ウチのアパートの階段部分の常夜灯、お隣の玄関先の明かりが生きているよう。 民家の窓は真っ暗ですが、今は深夜でもあります。 iフォンで確認すると。 震源地はやはり、北海道南部。 津波警報は出ていないとの事。 札幌の震度は5(後に東区は震度6に訂正) iフォンの明かりで汚部屋を歩き回り、ライフライン……特に水の確認。 「──つ、痛ッたあ!」 何かに足の指をぶつけて悲鳴を上げつつ とりあえず電気のブレーカーを上げ下げしても、何の反応も有りません。 まあ、あれだけの地震です。停電でしょう。 少し開けたワンルームのドアから、階段部分を照らす常夜灯の白い光が差し込んできます。 暗所恐怖症ですが、これくらいの明かりとiフォンさえ有れば、まだ何とか大丈夫。 トイレは使用出来そう。 有り難い事に、断水はしなかったようです。 この辺、何度か料金未納でライフラインを止められた経験のある、ボンビーあーちゃんのメンタル本領発揮。 飲料水が確保出来て、それ以外でも水が使用出来れば、仮に事態が長引いたとしてもかなりサバイブしやすい状況です。 過去の経験から水道を止められると、だいたい二週間半が限界でした。 最後にエブリスタの近況に(多分、ワタシなんかのプロフは誰も見ないかなと思いましたが……)無事と書き残し、万年床に倒れこむ。 とりあえず寝よ。 明日になれば、きっと電気も復帰しているよ。 きっと大丈夫。自分に言い聞かせて目を閉じる。 時々、揺り返す目眩のような余震に混じって、サイレンが繰り返し何処かから鳴っていた。
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