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そんなこんなでシーツをひっぺがし、汗かきながらも大判タオルケットをぎゅーぎゅー押し当て。
応急処置に手間取っている内に、やっと揺れが収まってきます。
蛍光灯はまだ復帰しません。
深夜という事もあって、揺れが収まると辺りは静かです。
とりあえずiフォンの明かりで、万年床の周囲を照らすと、思ったよりテーブル周りは被害が少なそうな様子。
心配していた、書きかけ原稿がやまほど記憶されたノートPCも、水を被ることなく無事なよう。
キーボードの上に手を滑らせて、ほっと胸を撫で下ろしました。
恐らく激しい揺れで吹っ飛んだため、逆に無事だったんでしょう。
周囲は多分、何かが落ちてきて散乱しているでしょうが、さすがに今、わざわざ夜の内に確認したいとは思いません。
窓に近付いて見下ろすと、街灯、ウチのアパートの階段部分の常夜灯、お隣の玄関先の明かりが生きているよう。
民家の窓は真っ暗ですが、今は深夜でもあります。
iフォンで確認すると。
震源地はやはり、北海道南部。
津波警報は出ていないとの事。
札幌の震度は5(後に東区は震度6に訂正)
iフォンの明かりで汚部屋を歩き回り、ライフライン……特に水の確認。
「──つ、痛ッたあ!」
何かに足の指をぶつけて悲鳴を上げつつ
とりあえず電気のブレーカーを上げ下げしても、何の反応も有りません。
まあ、あれだけの地震です。停電でしょう。
少し開けたワンルームのドアから、階段部分を照らす常夜灯の白い光が差し込んできます。
暗所恐怖症ですが、これくらいの明かりとiフォンさえ有れば、まだ何とか大丈夫。
トイレは使用出来そう。
有り難い事に、断水はしなかったようです。
この辺、何度か料金未納でライフラインを止められた経験のある、ボンビーあーちゃんのメンタル本領発揮。
飲料水が確保出来て、それ以外でも水が使用出来れば、仮に事態が長引いたとしてもかなりサバイブしやすい状況です。
過去の経験から水道を止められると、だいたい二週間半が限界でした。
最後にエブリスタの近況に(多分、ワタシなんかのプロフは誰も見ないかなと思いましたが……)無事と書き残し、万年床に倒れこむ。
とりあえず寝よ。
明日になれば、きっと電気も復帰しているよ。
きっと大丈夫。自分に言い聞かせて目を閉じる。
時々、揺り返す目眩のような余震に混じって、サイレンが繰り返し何処かから鳴っていた。
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