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とにかく、iフォンの電源を切って起き上がる。
昨日は暗くて何も見えなかったが、明るくなって見ると本棚の上に置いたDVDラックが落ちて、灰皿の上に散乱している。
地震の最中にもの凄い音がしたけど、5合炊きの炊飯器が床に落ちた音のようだ。
釜と内蓋、あと内部で固まっていたらしいデンプン質のカスが床に散らばっていた。
幸い、割れてはいない。
色々と散乱しているけれど、有難い事にそれ以外目立った被害は無さそうだ。
念の為鍋やボウルに水を汲み置きすると、ざっとデンプンカスを除けて、家を出る。
本当は復旧するまで寝ていたかったけれど、いかんせん電気がいつ復旧するのか分からない。
全く情報が入って来ないので、原因が送電線なのか、電柱倒壊なのか、はたまた発電所自体の破損なのか……修理は始まっているのか、進捗状況はどんな感じなのか。
まるっきり分かりまてん。
いざと言う時のためにラジオを買い置きしていなかったのは仕方ないにしても、最悪何日も停電が続くとなれば懐中電灯と電池がマスト必要。
昨日の様子なら、陽が落ちれば部屋の中は暗過ぎて危険。全く身動きが取れなくなります。
トイレに行くのにも、しんどい状況ですね。
最悪、お盆の売れ残りのローソクで良いので、何とか確保出来ないものかと、マイバッグがわりのリュックを背負って、いざ出陣。
──しかしながら、一歩外へ出ると異様な雰囲気です。
信号は大きな通りを除いて、停電しているためか車も疎らな道路。
みんな、それぞれ備蓄用らしき買出しリュックを背負い、何とか通信出来ないかとスマホ片手にぞろぞろと大きな通りを目指して歩いています。
小さな児童公園前の狭い道の周辺に、5～6人くらいでしょうかね。
殆どがイヤホンを耳に付け、何とか情報収集出来ないか試している様子。
一人の男性は、公園の縁石に座り込んでスマホラジオを聴いているよう。
たまたま外で受信出来たんでしょうね。
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