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カグはぶっきらぼうに答えると、にわかに鼻をほじり出しました。
そして満足するだけの収穫があると、それを丸く加工し、指先で弾いて出荷したのです。
送り先はお役人様のお顔。
狙いすましたかのように、見事に額に張り付いてしまったのです。
「ヒィィ! カグ、お前はなんという事をしてくれたのじゃ!」
「じいちゃん、なにを怒ってるの?」
「はわわわ、すみません大変なご無礼を! 後でキツく、キツぅく叱っておきますので!」
おじいさんだけでなく、おばあさんも必死に謝りますが、返事がありません。
それどろか、お役人様は凍りついたように動きませんでした。
お怒りの余り、固まっておられるのだ。
そう2人は思ったのですが。
「び、びび、美少女のハナクソいただいたぞぉぉお!」
「ええ……今、なんと!?」
「なんと得難い、そして尊い! あぁ、この齢になって、ここまで生きる喜びを噛み締めようとは……!」
どうやら感激をしているようです。
驚いてお役人様を見ると、額につけられた塊を大事そうに両手で受け、それを服の袂にしまいこんだのです。
これには流石のおじいさんも、目を見開いて驚愕しました。
「いやはや、素晴らしい! 冥土の土産が出来たというものじゃ!」
「あのう、お役人様?」
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