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「とりあえず、メカニックのところに行ってくれ」
本部に戻るなりそう言われたオレは、『機構調整室』と書かれた扉の前に立っていた。
諏訪司令曰く、メカニックとは一人の人間のことを指し、その人は『言語癌対策室で最も年上』で『司令と共に本部を作った人物』で『年中機構調整室に篭っている変人』らしい。
「うっわ、不安」
昔アニメで見たマッドサイエンティストを思い出し、苦い顔をした。
意を決してノック。
返事はない。
開けようと思ったが、夜中のことが頭を掠ってやめた。
もう一度ノック。
同時に中から爆発音が聞こえた。
「大丈夫ですか!?」
ドアノブをひねり飛び込むと、大量の黒煙が巨大な機械から出ていた。
「けほっ!けほっ!おのれまた不具合か!」
と、聞こえてきたのは舌足らずな女声。
同時、機械の上部が開き人が出てきた。
「かーっ!計算上は上手くいくはずなんじゃが!?じゃ、が!?ええいポンコツめ親の顔が見て見たいわワシか!」
と、早口でまくし立てるのは、ススで黒く汚れた白いタンクトップを着て、下はダボっとしたズボン。長髪を後ろでまとめ、顔じゅうをススまみれにした、
見た目オレより年下の少女だった。
「えぇと、すみませーん!」
「ん、誰じゃお前。いや待て、そうか新人か!よく来たな小僧。ワシの工房へようこそ」
真っ白な歯を見せて笑う彼女は、機械から飛び降りるとこちらに歩み寄り手を差し伸べて来た。
「あ、うん。え、君が『メカニック』? 」
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