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まさかそんなと思いながらも聞いてみる。
「言ったろう、『ワシの工房にようこそ』と。ワシが言語癌対策室の機械関係全てを掌握する者、メカニックじゃ」
と、イメージではおじいちゃん博士が言いそうな台詞を、目の前で小さな女の子が言っている。
「うぇ、えーっと......君何歳?」
「おいおい、れでぃに歳は聞くなと教わらなかったのか。まぁ、かなりの年寄りじゃよ」
「ごめん、どうみても年下」
「かかっ!そうだろうそうだろう。だが、これはあくまでも仮の姿。真の姿はもっと、ぐらまらすで、せくすぃーな妖艶美女なのだからな!」
「人間はフォルムチェンジできませんよメカニック」
そう突っ込んだのは、ちょうど部屋に入って来たスズリ。
「いいじゃないですか、若くみられるんだし」
「良くない良くない!技術者の集会に行っても、開発した物の発表をしようとしても、『はいはい』って笑って頭を撫でられる始末じゃ!」
ジタバタ四肢をバタつかせ、文句を言うメカニック。
「まぁいい。もう慣れた。それよかスズリ、直しておいたぞ」
そう言ってメカニックが奥から引っ張り出して来たのは、青いスーツケース。重そうな金属光沢を待とうそれに、オレは見覚えがあった。
「それって」
「唱者強化外骨格、〈キャストアーマー〉じゃ」
「ワシ史上最高傑作!」と叫んだ彼女は、どこからかパネルを持ち出してきて解説を始めた。
「設定されたキャスターの声によって起動。分離し、鎧となって装着される。特殊な構造で体内の言霊を鎧部分に流すことで、本来全く防ぐ事のできないキャンサーの攻撃も防ぐことができる!さらに搭載されたミクロモータによって、機動力、攻撃力は10倍に跳ね上がる!どうじゃ、くーるじゃろ?あめいじんぐじゃろ!?」
目を輝かしてまくし立てるメカニックに、俺は正直な感想を述べた。
「かっこいいいぃぃっっ!!!」
「おお!そうじゃろそうじゃろ!?いや、なにせ言語癌対策室の人間は反応が薄い。ワシとしてはそういう、そういう反応が欲しかったんじゃ!」
「凄いよメカニック!あれ君が作ったんだ!かっこいい!!」
「かかかっ!!じゃろ?じゃろ?」
「最高!」
「もっと!」
「天才!」
「からの?」
「完璧!」
「英語で?」
「え、えーっと」
「パーフェクトだよ」
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