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僕達の続き
彼女は走って僕に抱きついて言った。
「お父さん。久しぶり」
「久しぶりだね、ハル。元気にしていたかい」
「うん。元気にしてた」
「学校は楽しいかい?」
「ううん。相変わらず全然楽しくない。勉強は家ですればいいし、何で行かないといけないのか全然わからない」
「そうか。確かに学校は退屈なところだね」
「お父さん、中学校に行ってもつまらないのかな」
「うーん、どうなんだろう。少なくとも僕は楽しいとはあまり思わなかったね」
「やっぱりそうなのかな」
「友達はいないのかい?」
「うん。同い年の子はなんだか子どもっぽく見えちゃって難しいの」
ハルは相変わらず学校の事や読んでいる本のこと、将来のことを色々とよく話してくれた。
だけど、ハルは僕以外の人には全然自分のことを話さないことを彼女が教えてくれた。
彼女は僕以上にハルに対して気遣っているし、一緒にいるときはいつも彼女はハルに話しかけていた。
だからそのことを知って僕は少しだけ驚いた。
そして彼女が、それに対して僕が思っている以上に不安に思っていることも僕は気にかけていた。
その日、僕たちは地元で行われるお祭りへ行くことにした。
ここは田舎で、おしゃれなお店もないし食事をするとこも少ないから、これといって他にする事が思い浮かばなかったのだ。
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