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お祭りにつくと沢山の人たちで賑わっていた。
僕とハルはこういう人が多い場所があまり得意ではないのだけれど、お祭りだったり初詣の人混みはなぜか好きだった。
子どもというのは、お祭りに来たらあれが食べたいこれが食べたいって言ったりするものなんだと思っていたけど、ハルはそういった事を全然言わなかった。
始めは僕たちに気を使ってくれているんだと思っていたが、本人曰く「私はお祭りは食べ物を食べたくて来てるんじゃなくて、雰囲気を楽しみたいから来てるの」と言っていた。
ハルが言いたいことを僕はすごく共感できたし、確かに僕も小さいときからお祭りの楽しみ方はそんな感じだった。
僕たちはお祭りの道を一通り歩いてから彼女とハルが疲れていたから、外れにある神社で一休みすることにした。
風が吹くと揺れる木々の音、この時期になると鳴り止まることがない蝉の声、少し遠くから聞こえる賑わう声、僕はこの時期にこの場所へ来ることが小さな楽しみになっていた。
僕は少しだけ周りを散歩したくなったから、トイレに行ってくると言ってその場を離れた。
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