2 あの絵の少年

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彩人はそう言って絵麻の方に笑顔を見せた。 眩しい。眩しすぎるわ。その素直で美しい心を私にも分けて。ねぇその笑顔見たら全ての人間が浄化される気がするんだけど。今まさしく荒んだ私の心がスーッと綺麗になった気がするし。やっぱあの絵を見た時感じた物は間違いじゃなかった。 「あ、そう?でもこんなに見られてちゃ描きにくいし場所変える?また別の日でもいいし。」 うんそれがいい。さっきはついイラっとして四葉君の描くところを刮目せよ!的なこと思っちゃったけどいい迷惑なはずだ。ああ言ってくれるのも四葉君が天使なだけだ。 「え、俺は全然大丈夫だよ!むしろ早く三筆さんと一緒に描きたすぎて周りが見えてなかったぐらいで…」 「あー、自己紹介のときめっちゃこっち見てたもんね。」 「えっ嘘っごめんっあんまりビックリして嬉しかったもんだからつい…俺そんなにじろじろ見てたのか…ごめん…」 ちょっっっっと!そんなお仕置きされた子犬みたいにシュンとされたらこっちがいたたまれない気持ちになるんだけど。垂れた耳が見えるんだけど。 「いやそれは全然良いんだけどさ。こっちも四葉君の名前聞いた時電気ショック並みにびっくりしたし嬉しかったから。…四葉君がそういうならここで描いちゃうか。」 するとまたしても彩人は満面の笑みを浮かべてコクコクとすごい速さで頷いた。 あーもー可愛すぎるわ。どこの子犬様だ。探してた四葉彩人はまさかの天使な子犬だったのか。 そんなことを考えながら絵麻は描く準備に取り掛かった。
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