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あ、あの子赤面してるめっちゃ可愛い絶対モテる。後で話しかけよっかな。なんて言えば良いかな。音楽とか全然わかんないしなぁ、あ、教えてもらうって事にすればいいや。うん、そうしよう。
色々考えているうちに自己紹介と言う名の作業は進んでいく。
「えーっ、ではっ、次40番っ、三筆さんー。」
三筆、という言葉にクラスの7割ぐらいが反応して椅子を引く音がした方を振り返る。
あ、回ってきた。何て言うか考えてなかった。ていうか後ろの席だとみんなが振り返って見るのかー、緊張する気がする。思ったより私の事パンダ見る時の感じで見る人多いな。その界隈の人間が集まるんだし無理ないか。イケメンは…え?
1人ほかの人間とは明らかに違う視線を送ってくる男子がいる。大きくて艶のある瞳を見開いた、無くした大事な絵本を見つけた時の子供みたいな視線に、激しく
動揺してしまった。
何でそんな目で見て来るのさ。もしかして会ったことある?それともファン?
「三筆さんー?」
あ、やばっ。
先生に声をかけられて我に帰り慌てて自己紹介をする。
「三筆絵麻です。絵を描きます。よろしく。」
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