1 ずっと探してたんだ

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あ、あの子赤面してるめっちゃ可愛い絶対モテる。後で話しかけよっかな。なんて言えば良いかな。音楽とか全然わかんないしなぁ、あ、教えてもらうって事にすればいいや。うん、そうしよう。 色々考えているうちに自己紹介と言う名の作業は進んでいく。 「えーっ、ではっ、次40番っ、三筆(みつふで)さんー。」 三筆、という言葉にクラスの7割ぐらいが反応して椅子を引く音がした方を振り返る。 あ、回ってきた。何て言うか考えてなかった。ていうか後ろの席だとみんなが振り返って見るのかー、緊張する気がする。思ったより私の事パンダ見る時の感じで見る人多いな。その界隈の人間が集まるんだし無理ないか。イケメンは…え? 1人ほかの人間とは明らかに違う視線を送ってくる男子がいる。大きくて艶のある瞳を見開いた、無くした大事な絵本を見つけた時の子供みたいな視線に、激しく 動揺してしまった。 何でそんな目で見て来るのさ。もしかして会ったことある?それともファン? 「三筆さんー?」 あ、やばっ。 先生に声をかけられて我に帰り慌てて自己紹介をする。 「三筆絵麻(みつふでえま)です。絵を描きます。よろしく。」     
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