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2 あの絵の少年
ホームルームが終わり休み時間になると、案の定絵麻の周りにはわらわらと人が集まってきた。みな芸能人か何かを見るような目でジロジロと絵麻のことを見回して来る。
「ねえ、三筆さんの力ってあれ合成?」
「アナログの画材全部でなるって聞いたんだけど、授業とかどうしてんの?」
「私ずっと会いたかったの!絵も集めてて、描くとこ見てみたい!」
怒涛の質問責め前を後左右からされて狼狽える。皆口々に自分の聞きたいことを言っていくので聞き取れない。
あーもーうるさいなぁ。そりゃ世にも珍しい超能力少女が目の前にいたら興味が湧くのもいろいろ聞きたくなるのも分かるよ。私だって私の力は素晴らしいものだって自負もある。けど私はそれに関する質問コーナーを設けた記憶はないですけど。まあ全員への答えになるであろう答えは既に用意してありますけど。
「あー、そんないっぺんに喋られても私聖徳太子じゃ無いから聞き取れないんだわ。まあ私が描くとこ見たい人は放課後基本美術室いるから。あ、撮影禁止ね。テレビはギャラ出てるからさ。私もパンダじゃないわけよ。てことでよろしく?」
途中で何か言われたら鬱陶しいので、息継ぎ無しで一気にまくし立てた。すると絵麻を取り囲んでいたクラスメイト達は少し身を引いた。
その時、人の壁の間を潰れながら例の彼が近づいてきた。彼、四葉彩人は満面の笑みを浮かべ絵麻に向き合った。
おお、眩しい。笑顔が眩しい。あの時の絵のまんまだ。小5の時だから変わってるかと思ったけど、人の中身ってそうそう変わるもんじゃ無いか。良かった。てか顔可愛い。純粋そうだわ。
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