休息

5/11
前へ
/42ページ
次へ
「っ……!!」  息を飲む音とともに、ぴくりと体が震える。 「……んー?」  ふっと笑みが漏れ、再びその乳首に歯を当てる。気をよくして、再びねっとりと舌で舐め上げれば、噛み付かれて敏感になったのか、今度は吐息が漏れた。 「なんだ、少し痛い方が好みか?」  否定するでもなく、テオドールは困惑した顔をしていた。大地は片手で乳首を少しきつく摘み、もう片方を舌で転がしながら、空いている手で太ももを撫でた。  皮膚の下、ぎっちりと詰まった筋肉の弾力を楽しみながら、好きなだけその体を嬲る。触れるか触れないかの優しさで撫でられて、くすぐったさと気持ちよさの間にいるのか肌が粟立つ。その姿に、大地は今すぐにでもかき抱きたい衝動にかられ、ぐっと堪えた。  レザーパンツに手をかけ、下着ごと下ろすと緩く勃ち上がったものが目に入った。いくらテオドールが好きで欲情するとはいえ、実際男のものを見てしまえば萎えるかと思ったが、自分の愛撫で兆しているものを見るとむしろ興奮した。かなり立派な部類に入るそれを、大地は躊躇うことなく口に含んだ。ひっと息を飲む音と共にテオドールが俊敏な動作で身を起こす。 「やめろ! そんなところを舐めるな!」  彼の手が大地を引き剥がそうと頭に添えられたが、それに構うことなく大地はねっとりとその裏筋に舌を這わせた。びくりと揺れる体、その手から力が抜ける。敏感なところを銜えられてしまえば迂闊に抵抗もできまいと、大地はそのくびれを舐め、先端を擽り、男だからこそわかる感じるところを容赦なく責めた。  頭上で、喘ぎ混じりの拒絶の言葉が聞こえてはいる。しかし、快楽で丸まった背中、ゆるく大地の頭にかけられただけの手は、まるでさらに大地に銜え込ませようと押さえているようにすら見えた。すぐ近くで聞こえる吐息は荒く、切羽詰っていた。喘ぎ声を堪えるような呻き声。すぐ近くで聞こえる重低音が鼓膜を震わせる。女に聞こえるはずもないそれに、大地は酷く興奮した。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加